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ゲーム制作講座column

ステップ3:キャラクターを差別化する

「キャラクターを作れるようになったら、もう一つ、意識しなければいけないことがある。それはキャラクターの差別化だ」

 ここでいう差別化とは、自分の作品内でのキャラクターの差別化です。たとえば、登場するキャラクターの名前や容姿が似通っていると(実は兄弟だった、などの設定がある場合は別として)プレイヤーや読み手が混乱しかねません。

「といっても、どんな点で差別化すればいいのかな?」
「大きく分けると、名前・性格・容姿・能力・役割があると思う。ひとつずつ見てみよう」

名前での差別化

 個々のキャラクターに異なる名前をつけるのは、差別化の基本と言えるでしょう。原則としては、名前の頭文字、文字数、名前の響き、日本語なら使う漢字が出来るだけ重ならないようにします。
「キャラクターのイメージに合った名前を考えつつ、しかし各キャラクターの名前はできるだけ差別化しなければいけないから、悩むこともある。とりあえず、名前の頭文字は分かりやすいな。最初の1文字が違うと、すぐに別の名前だと識別できる」
「百人一首みたいね」
「文字数や使う漢字も簡単に分かるから難しくないだろう。名前の響きはちょっと気をつけたほうがいいかな、無意識に似たようなものを作りやすい。アリーシャとサーシャ、みたいに名前の後半部分の響きが似ていても区別しづらくなる」
「逆に、あえて似せるみたいなこともある?」
「兄弟とかコンビとか、共通項を前面に出したい場合はアリだと思う。この時も、一文字目は別にしつつ似た名前とかにすると、多少混同が避けられるんじゃないかな。ルンとラン、みたいな」

性格での差別化

「これは、わかりやすいだろう。それぞれのキャラクターの性格を違うものにして差別化する」
「これは、みんな普通にやってそうだね。熱血系とかクール系とか、お調子者とか冷静な人とか。なにか、注意ってあるかな?」
性格と言動は密接につながっている、という点に注意するべきだろう。おとなしいキャラクターと活発なキャラクターでは笑い方ひとつとっても全く異なる。喋り方、一人称、立ち居振る舞い、ある状況への対処の仕方、などキャラクターの発言・行動のすべてが性格と密接につながってくる」
「そして、性格=設定はストーリーと密接につながっている、ってわけね」

容姿での差別化

「これは自分でイラストを用意できない場合、なかなか難しい」
「ゲームみたいに、グラフィックが必須だと確かに……でも、小説とか文字だけの場合でも重要だよね。どんなところに気をつければいいかな?」
「髪型や髪の長さ、体格、アクセサリー、服装、全体のカラーリングなどが考えられるな。一説には、シルエットだけで区別できるぐらい違う方がよいとも言われている」
「全員の中で1人だけ、ってことになると分かりやすそうだね。一人だけ羽根がある、一人だけマッチョ、一人だけメガネ、みたいな」
「色による区別もよく見る。たとえば、ヒロインが3人いて、それぞれ赤い髪、青い髪、金髪、というふうになっているとか。あと、容姿で差別化する際も、性格などのキャラクターの設定は常に意識しよう
「あぁ、なるほど。服装や髪型は個人の性格とか好き嫌いがはっきり出るもんね」
「そのとおり。たとえば、活発な性格のヒロインを作るとすれば、服装はショートパンツや半袖、髪型はショートカット、というように、この場合も連想して考えると容姿と性格が結びついたキャラクターを作れるだろう」

能力での差別化

「能力って言うと、特殊能力とか?」
「そう言うのも含むし、扱っている武器や得意分野、戦闘スタイルなど色々ある。特にゲームの場合は、パーティー内で能力の差別化を行うのは重要だ」
「たしかに、全員剣を装備してたりすると、みんな同じになっちゃうね」
「一流の剣士集団、みたいにあえて全員を同じにする場合もないとは言わないが……仮にその場合でも、使う剣が長剣・魔法剣・刀、みたいに区別がつくといいかもな」
「能力で差別化をするときは、たとえば物理攻撃系、魔法攻撃系、回復系、みたいな違いを出す感じになるかな?」
「そうだな。得意な能力や武器の他にステータスでも差別化できる。魔力は低いけどHPは高いキャラと、HPは低いけど魔力が高いキャラ、となれば全く異なるキャラクターになる」
「いわゆる、能力バトルものみたいな場合は?」
「その場合は、思いっきり違う能力を持っていたほうが面白くなると思うな。能力同士の相性みたいなものも考慮に入れるとなお良いかもしれない」

役割での差別化

「役割とは、作品内でそのキャラクターが果たす役割だ。たとえば、主人公、ヒロイン、主人公の親友、ライバル、敵役など……主役級だけでなく、サブキャラクターやモブキャラなど、いわゆる脇役・端役も重要な役割の一つだ」
「でも、ヒロインが3人いる作品とかあるよ?」
「それは、そういうコンセプトなんだ。だから、その場合ヒロイン間の差別化は非常に気を使う。さらに別の区分の役割で差別化することもあるな」
「別の区分って言うと?」
「年上や年下、先輩、後輩、同級生、先生、弟子……といった、年齢や役職、立場による差別化だ。この場合、ヒロインがそれぞれ先輩・同級生・後輩、とかな」
「たしかに、そうすれば違う立場になるね。それぞれの立場によって、主人公に対する接し方も変わってきそう」
「そう。この場合も、やはり連想ゲームが大事だな。一口に先輩といっても頼りになる先輩とお調子者の先輩だったら、性格(=言動)・容姿・表情・得意なこと・作品内での役割など様々な部分で異なってくるだろう。そういう点を連想ゲームで作っていけば、ストーリーや主人公とうまく連動したキャラクターになってくれるだろう」

「上記のような差別化のほかに、パーティー内の男女比のバランスを考えたり、年齢のバランスを考えたりするのも重要だろう。もっとも、これは作品のコンセプトとも関わるだろうから、定型的に作る必要はないと思う」
「ほかの人の作品との差別化、って考えなくていいのかな?」
「あまりにも似ている作品があると問題になるケースもあると思うが、連想して作る、という方法で一からきちんと自分で考えて作っているなら、自然とオリジナリティというのは出てくるものだと思う」
「なるほど〜。ハムちゃんのゲームで、参考に出来る物ってあるかな?」
「木精リトの魔王討伐記は、パーティー8人いるけど、できるだけ差別化するように気をつけている。また、ハーブの村に登場する3人のサブキャラクターに関して言えば、全員ハーブに関係するという共通項を持ちつつ、可能な限り差別化できるように工夫している。見てもらえれば、参考にしてもらえるだろう」
「なるほどね。キャラクターを作って、差別化して……その次は?」
「そのキャラクター同士の関係性について考えてみよう。それは、次の回だな」


  


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